福井県敦賀市三島町1丁目の市立敦賀病院で入院患者らがノロウイルスに集団感染した問題で、県は2日、入院患者20人について病院給食を原因とする食中毒と断定した。食品衛生法に基づき、同病院の給食施設を3日までの2日間、業務停止処分とした。
県医薬食品・衛生課によると、12月28日から1月2日までに入院患者や調理師、看護師合わせて72人が下痢や嘔吐(おうと)などの症状を訴えている。
29日に同病院からの連絡を受け県が便検査をした結果、症状が出た入院患者、調理師、看護師からノロウイルスを検出した。県は▽発症した入院患者の共通 食が病院給食しかない▽病院給食に関わった調理師からもノロウイルスを検出した▽発症が同じ期間に集中している―ことなどから、同病院から報告を受けた入
院患者20人について病院給食を原因とする食中毒と断定した。重症者はなく、全員がほぼ回復しているという。
また同病院の調べで、新たに入院患者8人と看護師3人からノロウイルスが検出されたことが2日、分かった。いずれも軽症で快方に向かっているという。今回の集団感染は計35人(同日午後5時現在)に拡大した。
35人の内訳は入院患者の男女28人(20~90代)、看護師の女性6人(20~40代)、調理師の女性1人(20代)。新たに検出された看護師らは2次感染の可能性がある。
県内の病院施設では、1995年に県立病院と県立精神病院(当時)でサルモネラ菌による食中毒が発生し、144人が発症した。99年には旧丸岡町で19人、2003年に旧芦原町で5人が、いずれも病院給食が原因で食中毒と診断された。
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