乳幼児が感染すると重い肺炎になることもある「RSウイルス」が流行の兆しを見せている。国立感染症研究所の調査では、5週連続で患者の報告が増えた。秋から冬に感染が広がるため、赤ちゃんがいる家庭は特に注意が必要という。
感染研によると、8月25~31日の全国約3千カ所の定点医療機関からの報告は1234人。8月上旬から倍増した。今後さらに増えていくとみられる。
RSウイルスは、大人は鼻風邪ぐらいで済むことが多い。一方、赤ちゃんは気管支炎や肺炎になりやすい。早産の場合や、心臓や肺に病気があると、より重症化しやすい。国内では2008~12年の5年間で、年平均31・4人が死亡しているとの報告もある。
鼻水などに触れた手で赤ちゃんに触ると感染するおそれがあり、楠田聡・東京女子医大教授は「手洗いを心がけ、鼻水が出ているときはマスクをしてほしい」と話す。きょうだいに軽い風邪症状があった場合も、赤ちゃんに触れさせないようにするのがいいという。
(武田耕太)
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