エボラ出血熱のウイルスの仲間は2300万~1600万年前までに出現した可能性が高いと、米ニューヨーク州立大の研究チームが29日までに国際的な科学誌「ピアJ」に発表した。ウイルスの進化過程や宿主の解明は、ワクチンや治療薬の開発、感染防止策に役立つという。

  エボラウイルスのほか、エボラ熱に症状が似たマールブルグ病のウイルスなどが含まれるフィロウイルス科のウイルスは、農耕が普及し始めた約1万年前に出現 したとの見方があった。今回の研究で、700万~600万年前と推定される人類の出現より大幅にさかのぼることになる。

  研究チームはウイルス遺伝子が哺乳類の進化過程で全遺伝情報(ゲノム)に組み込まれる場合があることに注目。フィロウイルス科ウイルスのある遺伝子はハム スター2種とハタネズミ2種のゲノムに組み込まれており、ハムスターとハタネズミがまだ分かれていない2300万~1600万年前に存在した可能性が高い と結論付けた。

 フィロウイルス科ではこの頃、エボラウイルスなどがマールブルグウイルスと分かれ始めたと考えられるという。

 マールブルグ病は1967年、エボラ出血熱は76年に初めて患者が確認された。エボラウイルスの宿主はコウモリ類とみられている。 

時事通信 10月29日

 

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