<エボラ熱>終息へ試練の雨期 緊急事態宣言1年

 【ヨハネスブルク服部正法】西アフリカにおけるエボラ出血熱の感染拡大に対し、世界保健機関(WHO)が「緊急事態」を宣言して8日で1年となった。新 たな感染者は激減しており「終息が見えてきた」(シエラレオネのエボラ対策幹部)が、今後本格的な雨期に入ると衛生状態が悪くなるため、WHOは警戒を強 めている。

 感染は2013年12月にギニアで始まり、昨年3月にエボラ熱と確認。国境を接するリベリア、シエラレオネに広がった。

 WHOによると今月2日までのまとめでは、全体の感染者数(疑い例を含む)は2万7000人以上で、死者数は1万1000人以上。死者数は、リベリア4808人▽シエラレオネ3951人▽ギニア2522人--などとなっている。

 新たな感染者の確認数は最近、急激に減少。WHOによると、2日までの1週間の新規感染者はシエラレオネ、ギニアで各1人の計2人で、昨年3月以降、最も少なかった。

 ただ、新たな感染者をゼロにするのは容易ではない。リベリアでは今年5月、最後の感染者確認から42日が経過したことを受け、終息宣言を出した。しか し、6月末に再び感染者が見つかった。また、AP通信によると、シエラレオネでも最近、新たに感染者2人が確認された模様だ。

 WHOのエイルワード事務局長補は「感染者ゼロは近いうちに達成可能なゴールであることは間違いない」としつつ、雨期など根絶に向けた課題がまだあることを指摘した。

 エボラ熱をめぐっては、カナダ政府が開発したワクチンの臨床試験で高い予防効果が確認されたとする報告を、WHOなどの国際研究チームが7月31日付の英医学雑誌に発表している。
毎日新聞

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