“人食いバクテリア”とも呼ばれ、手足のえ死を引き起こし死に至ることもある「劇症型溶血性レンサ球菌感染症」の患者数が、過去最多になっているこ とがわかった。国立感染症研究所は、手足の腫れなど感染が疑われる症状が出た場合には、すみやかに医療機関を受診するよう呼びかけている。8月18日、FNNニュースなどが報じた。
国立感染症研究所のデータによると、感染者数は2014年が273人だったのに対し、2015年は8月9日までで既に279人にのぼり、調査を始めた1999年以降、最多となった。都道府県別に見ると、東京都が44人で最多。大阪府(28人)、神奈川県(20人)、千葉県と兵庫県(それぞれ15人)などが続いた。
東京都健康安全研究センターの ホームページによると、劇症型溶血性レンサ球菌感染症は、「A群溶血性レンサ球菌」の感染によって起こるものとされており、初期症状は手足の腫れや激しい 喉の痛みなどが出る。その後、急激に手足がえ死する症状を起こす場合もあることから「人食いバクテリア」と報じられることもある。
血圧低下や多臓器不全からショック状態におちいることもあり、発病後数十時間で死に至ることも少なくない。致死率は、約30%にのぼる。
レンサ球菌に感染しても、通常は症状が出ないことも多く、ほとんどは咽頭炎や皮膚の感染症にとどまるとされる。しかし、まれに菌が傷口から血液などに侵入し、劇症化する。
NHKニュースによると、国立感染症研究所の池辺忠義主任研究官は「なぜ劇症化するのか詳しく分かっておらず、けがをした場合には、きちんと消毒して病原菌が入らないようにしてほしい」と話している。
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