インフルやノロ、RSウイルス… 冬場に流行する感染症予防法は?

冬場に流行する感染症への警戒が必要な時期になった。多くの患者の発生が懸念されるインフルエンザと、RSウイルス、ノロウイルスによる感染症について、症状や予防法などをまとめた。

■インフルエンザ

 38度以上の発熱や頭痛、関節痛などが突然起きる。子どもは急性脳症、高齢者は肺炎などを起こし、重症化するケースもある。

 ワクチンの接種で重症化を防ぐ効果は見込めるが、ウイルスの感染を完全に防ぐことはできない。小まめな手洗いと栄養バランスの取れた食事、十分な睡眠が欠かせない。

 県による週単位の調査によると、最新結果(11月30日~6日)での1医療機関当たりの患者数(0・33人)は流行の目安とされる1人に達していないが、今後急激にはやりかねず、注意が必要だ。

■RSウイルス

 県の調査では、6日までの週の患者数(1医療機関当たり1・19人)は、過去10年間の同じ時期で2番目に多い。全国でも急増している。

 乳幼児を中心にはやる病気で肺炎などを引き起こす。せきなど風邪と似た症状で高熱が出ない場合もあり、見過ごされて重症化や感染拡大を招く恐れもある。 県健康推進課は「呼吸が浅くなったり、急にぐったりするなどの症状が子どもに見られたら早めに受診してほしい」と呼び掛ける。

 予防法は手洗いやマスクの着用など。乳幼児がよく触る玩具、ドアノブのアルコール消毒も効果的という。

■ノロウイルス

 感染すると嘔吐(おうと)や下痢といった症状が出ることが多い。高齢者は脱水症状を併発したり、嘔吐物を喉に詰まらせたりするリスクが高まる。

 今冬は、昨年3月に川崎市で見つかった新型ノロウイルスへの感染拡大が危惧されている。新型は免疫を持つ人が少ない上、従来の検査キットに反応しにくい。県は10月、ノロウイルスによる食中毒への注意報を出して啓発を強めている。

 感染の予防法について、川崎医科大の中野貴司教授(小児感染症学)は「手洗いが基本で、流水でしっかり洗い落としてほしい。嘔吐物の処理は、アルコール消毒では効果が期待できないため、塩素系の消毒薬を使う必要がある」と話す。

山陽新聞デジタル 2015年12月16日(水)10時4分配信

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