RSウイルス感染症が乳幼児を中心に流行している。風邪に似た症状のため見過ごされやすいが、2歳以下の子が感染すると、肺炎などの重症を引き起こすこともある。異変に気づいたら早めの受診が必要だ。また、予防のため、親子で手洗いを徹底したい。
国立感染症研究所によると、小児科のある全国約3000医療機関が報告したRSウイルス感染症の患者数は、11月23~29日の1週間で6598人に上っ た。その前週には今シーズン最多の6687人を記録している。同研究所は「年末をピークに来春まで流行は続く」と、注意を呼びかける。
RSウイルスは、1歳までに約半数が、2歳までにほぼ100%が1度は感染し、その後も何度もかかる。鼻水やせき、発熱など風邪に似た症状が特徴だが、初めて感染した乳幼児の25~40%が肺炎や気管支炎になるなど重症化する。
せき、くしゃみなどのしぶきや接触によってうつる。感染力が強く、手すりなどに付着したものでも、その後4~7時間は感染力が持続するという。
ただ、親世代の認知度は決して高くない。医薬品メーカーのアッヴィが7月、2歳以下の子を保育施設に預ける親1030人にインターネット調査したところ、「どんな病気か知っている」は33%。「名前は聞いたことがある」は43%で、「知らない」も24%いた。
多摩北部医療センター(東京都東村山市)小児科部長の小保内俊雅さんは、「実はインフルエンザよりも怖い」と話す。高熱を伴うインフルエンザは大人が警戒して早めに受診させるが、RSウイルスは風邪と誤解して受診が遅れがちという。インフルエンザのような予防注射もない。
「2歳以下の場合、重症化して入院が必要になったり、突然亡くなったりするケースもある」と小保内さんは指摘する。特に新生児や37週未満で生まれた早産児、心疾患などのある子は重症化しやすい。特効薬はなく、症状を和らげる治療が中心だ。
「一番大事なのは乳幼児に感染させないこと」と小保内さん。今の時期は〈1〉乳幼児をむやみに人混みの中に連れ出さない〈2〉風邪を引いた人を乳幼児に近 づけない〈3〉乳幼児が触れるおもちゃなどはこまめにアルコール消毒する〈4〉風邪を引いた家族はマスクをつける――などを守ることが大事という。
また、風邪のような症状でも、呼吸が浅い、ゼコゼコという変な音のせきが出る、ミルクの飲みが悪いなど、少しでも違う症状に気づいたら、早めに受診させよう。
歌に合わせて手洗い
RSウイルスなどの感染症の予防には、日頃の手洗いが欠かせない。帰宅後や食事前などにせっけんをつけて15秒以上丁寧に洗い、よく洗い流すのが基本だ。
童謡など歌に合わせれば、楽しく手洗いできる。花王の「あわあわ手あらいのうた」(http://www.kao.co.jp/biore/biore-u/hand/song/)は、手の動きを「オオカミ」「バイク」などで示し=イラスト=、幼児にも分かりやすい。
(2015年12月18日 読売新聞)
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