過剰摂取はよくないとされている「リノール酸」だが、適度な摂取によって脂肪や炎症を減らし、糖尿病の原因ともなるインスリン抵抗性が起きにくくなる可能性があるとする研究結果を、米オハイオ州立大学の研究チームが発表した。
「リノール酸」は体内で作ることができず、食物から摂取する必要がある「必須脂肪酸」のひとつで、家庭でよく使われるコーン油や紅花油、大豆油、ゴマ油などに多く含まれる。
過去には、リノール酸によってがん発症リスクが上昇するとした研究も発表されたが、近年、適度なリノール酸は総コレステロール値やLDL(悪玉)コ レステロール値を低下させ、心疾患発症リスクが低下する可能性を示す研究が多数報告されており、研究チームは改めて脂肪酸の血中濃度と、健康状態の関係の 検証を実施した。
研究では、食生活の異なる健康な成人男女139名に、夕食をとらない状態で、翌日、血液検査をおこない、リノール酸のほか、オリーブオイルに豊富に 含まれ、健康によいとされる「オレイン酸」や、魚類に含まれる「オメガ3脂肪酸」といった必須脂肪酸のうち、どの血中濃度が高いかを調査。
さらに、身体組成や血中コレステロール値、炎症マーカー(体内の炎症の有無や度合いを示す血液中の物質)の計測、インスリン抵抗性の状態なども検査し、各脂肪酸と心疾患、糖尿病リスクとの関係を分析した。
その結果、3つの必須脂肪酸の血中濃度がほぼ均等な人は、炎症マーカーの減少が確認され、リノール酸が高濃度な人は、炎症マーカーの減少に加え、体 内の脂肪量が少なく、インスリン抵抗性も見られなかったという。リノール酸の主な摂取源は、グレープシードオイルになっている。オレイン酸やオメガ3脂肪 酸が高濃度になっている人には特に変化は見られなかった。
研究者らは、今回の研究の対象者が一般的な米国人よりも健康的だったという点と、研究結果がリノール酸と心疾患、糖尿病リスクとの因果関係を示すものではない点に、注意が必要であるとコメントしている。
発表は、2016年2月29日、栄養生化学誌「Molecular Nutrition & Food Research」オンライン版に掲載された。
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